3月14日から続けられていたネパール共産党毛沢東主義派(マオイスト)による無期限の首都圏および地方都市の経済封鎖は、19日に完全に中止されました。現国王政府に打撃を与えるために、首都カトマンズおよび地方都市への幹線道路を暴力的に封鎖して物流を阻止することにより、燃料および生鮮食品を枯渇させて、首都圏や地方都市の経済的混乱(生活者への経済的混乱)を起こすことが狙いでした。しかし、それも5日間にして中止になりました。全ての幹線道路の交通はきわめて順調になりました。
2月8日の地方都市同時選挙をめぐって、多少の混乱は事実ありました。国王政府も混乱を防ぐために「時限外出禁止令」も数日間発動されたこともありました。反政府側の政党連合の反政府デモも重なって、外国通信社による派手な報道もありました。わが国日本の某テレビ局は大きなお金を使って、特別取材班をカトマンズまで繰り出していました。21%の投票率の分析を誤り、かつカトマンズのほんの一部(他の場所ではまったく行われていない)のデモ集団をカメラに収め、「カトマンズは燃えている」かのごとく、「王制の終焉」を叫んでしました。
マスコミの報道のみならず、カトマンズ在住者のホームページも「ネパール国家」を侮る言動(?)を記したり、国王をはじめ政治家を「おちょくった表現」には眉を顰めざるを得ないものもありました。なかには「旅行は中止すべき」というのもありました。もう、これは「犯罪行為」です。
3月も中旬、ヒマラヤの里では、真紅の石楠花(ラリグラス)が咲き出しています。3月9日10日の2日間ネパール全土に恵みの大雨が降りました(昨年10月18日以来)。山では大雪でした。被害はありませんが、今シーズンの山歩きに多少の障害はあるかも知れません。例年以上に安全な観光が楽しめることは確実です。
しかし、上記の某テレビ局や判断を誤った某大手新聞の観測記事によって、楽しみにしていたネパール旅行を中止する方々が多いと聴いています。ネパールは「危険」という宣伝が隅々まで行き渡っているようです。興味本位の報道の行き過ぎにあきれるばかりです。日本の善良な旅行者が気の毒に思えてなりません。「夢にまでみたヒマラヤトレッキングを家族が制止するので・・・」が、ことごとくネパール旅行を中止した理由とのことです。
マオイストが反政府武力闘争をはじめて、10年が過ぎました。確かに全土で不幸な事件がありました。善良な市民が巻き込まれたこともありました。しかし、観光のお客さんはもちろんわれわれ在住外国人が被害にあったことはありません。イラクのような人質になったことは決してありません。「我々の闘争は対ネパール政府。外国および外国人ではない」は組織の隅々まで徹底しています。外国人の旅行者はネパール全土を歩いています。この国では10年間なかったことは今後もないといってもいいでしょう。それがこの国の国民性です。過激なことはできません。この国には96種族が棲んでいます。少数多民族の国です。らんぼうな言動・行動は慎まなければ、互いに生きて来られなかったかも知れません。
この1週間、インドのニューデリーで反政府政党連合とマオイストのリーダーの話し合いが続けられていました。そして、マオイスト主導の経済封鎖のストライキが解かれました。もうじきネパールは新年です。4月14日がネパールの正月です。どんな新年を迎えられるかはかれら次第です。
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