051130

国王のお達し
 一月前のことです。ギャネンドラ国王が国営テレビのインタビューを受けている番組がありました。主にネパール社会の問題についてでした。諸外国からの援助についても語られておりました。

 『ネパールは多くの国から、ありがたい援助をいただいています。インフラストラクチャーはもちろんのこと、国民の生活向上のためにも外国の支援は重要です。資金であり、物であり、人であったりします。多くはネパール経済の発展と国民の生活にこの上もないほど役に立っておりますが、なかには効果のないものも観られます。ひどいものもあります。「援助」の名を借りて、何もせず海外からのお金を「援助・支援」のために使わず、商売の資金にしたり、自分たちだけで使っているボランティアグループがあります。国がその活動を許可しているNGOにもみられます。既存のグループには指導を強化し、新規はよく調査して許可をしていかなくてはなりません』。

 ギャネンドラ国王は前国王の弟君で、長い間、野に下って会社経営はもちろん多くの団体の総裁職を経験されてきていました。王族のなかでは「民」についての観察力はずばぬけているといってもいいでしょう。「ご自分の目を通した確かな証拠があっての発言」と理解すべきでしょう。苦々しいとばかりのお話でした。

 省庁の責任者の発言ではありません。『国家元首、最高権力』のあえての発言なのです。われわれ在ネパール外国人は「この重み」をどう捕らえるべきでしょうか。いままでのような「見て見ぬふり」では済ませられないことになりそうです。

 先ごろ、強力な組織と資金をもつ民間支援グループがおいでになりました。支援組織の本部をカトマンズに置いて、活動を始める段になって、日本から派遣された専門家2人のビザが発給されないことになってしまいました。理由は「国王からのお達し」です。「気持ちが変わられるのを願っている」とのことです。早くも国王発言の効果が現れてきたといってもいいでしょう。

 およそ15年間の腐敗した政党政治の時代に、例に漏れず「外国人の不正も野放し状態であった」と語るネパール人も少なくありません。国王もそのお一人なのかもしれません。某国際機関の職員の一部の不正は国際的に取りざたされていますし、先に記した『貧乏は金になる』も、この国ではあいも変わらず続いています。(11/30)