「郵政民営化法案」が参議院で賛成108、反対125で否決されました。あえて「廃案」。その是非を国民に問うことになりました。解散総選挙は9月11日と決まりました。そもそも、郵便事業は3事業(政府案では4業種に分割)からなっていることはいうまでもありません。そのうち国民のサービスにかかわる事業は「郵便」事業のみで、「貯金」と「簡保」は国家権力そのものとかかわっていることを知らねばなりません。
貯金総額は235兆円、簡保は124兆円です。世界最大の「銀行」かつ「保険業」といわれています。これが景気対策等のために「財政投融資」として使われていることは、中学校の「教科書」にも詳しく紹介されています。国内の災害復興のみならず、海外の援助にもつかわれています。日本のNGOグループにもネパールでの活動のために支給されています。しかし、主な貸出先はかの「道路公団」(道路関係4公団)もその一つです。「道路公団」の乱脈ぶりは同公団の民営化推進委員会等での官の資料、答弁によって焙りだされました。
郵便貯金の莫大な上記の金は「官」の管理下にあります。その金をまったく「民」の監視の外の世界で「官」が使ってきました。かなり捻じ曲げられたかたちで使われてきました。善良な国民は「官」を疑うことをしませんでした。今や「税」の無駄遣いには納税者(国民)は敏感です。反面「貯金」の無駄遣いには「貯金者」は鈍感です。なぜなら、貯金の国の補償は安全と考えられてきたからでしょう。
郵貯の金はあまりにも巨額ゆえに、その「入り口」「出口」にメスをいれようとしたのが、この度の「小泉構造改革」だったといってよいと思います。両口を民営化すれば、完全に市場の真っ只中に流れ、市場の原理によって「監視」されることはいうまでもありません。「政」・「行」の国家権力から完全に切り離されることになります。
「道路公団民営化法」はすでに昨年6月に成立しています。残るは入り口の処理でした。「民の金は民に戻し、民のニーズで使わせよう」とする極めてまっとうな考え方だったと思います。これに反対する理由がよくわかりません。
小泉首相はこの「入り口」「出口」に政治生命をかけてきました。年金などの社会保障ならびに税財政改革などの重要な構造改革がありますが、それこそ時間をかけなければならない案件です。まずは目の前の「本丸」崩しをご自分の仕事にしていたと言っていいでしょう。
「自民党をぶっつぶす」とは、「権力」イコール「自民党族議員」と「郵政官僚」を、というように聞こえます。
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