| ネパールで販売されているTシャツやジーンズなどの衣料品の多くは中国産です。また、数年前に世界中でもてはやされたパシュミナのショールの多くは中国産でした。また、テレビ受像機やDVDプレーヤーなどの家庭電化製品のほとんどが中国産です。乾燥しいたけ、調味料などの加工食品の多くも中国から輸入されています。加えて、自転車やオートバイも中国からのものが増え続けています。ひところは、インド製品があふれていましたが、すっかり入れ替わってしまいました。
中国人の経営する中国料理店がふえました。中華料理屋といえば、きまってインド系の中国人かネパール人の経営だったのですが、本土(本場)の中国人経営のレストランが開店しています。ネパール人やインド人のお客さんを集めています。
当店においでの中国人も増えました。中国大使館のスタッフのみならず、建設工事関係者が目立っています。幹線道路の補修工事や橋梁の建設が中国の援助で進められています。わが日本に次いで中国も有力なネパールの援助国です。
中国本土からの旅行者も年々増えてきています。大阪発で上海経由カトマンズ行きの定期航路はけっこう中国人旅行者で賑わっています。また、成都からカトマンズへの便もできました。カトマンズからチベットのラサまで定期便のバスが運行しています。まだ、欧米人の観光客が主なお客ですが、中国人のお客さんも使うようになるでしょう。ネパール政府は中国からのお客さんにはビザ代を免除して優遇しています。もっともっと中国人の観光客を増やしたいのでしょう。
また、ネパールと中国と共同出資で私立の「工科大学」の設立の準備が進められています。上海の有名工科大学の姉妹校になるようです。ネパールのみならずインド、パキスタンなどの近隣諸国から学生を募集するとのことです。
先にも記しましたが、皮肉にもネパールの『王政』についての理解者はまずは中国でした。インドやアメリカが2月の政変によって武器の供与を打ち切るやいなや、中国はいち早く「供与」を申し入れてきました。さすがに国王は辞退しましたが、インドやアメリカには大きなプレッシャーになったに違いありません。
中国の経済発展は目覚しいことはいうまでもありません。外貨保有のトップはあいかわらずわが国日本の8300億ドルですが、気づかぬうちに中国が2番手にあがってきています。7000億ドルです。ただの大きな国から今や「経済大国」になってきています。13億の人口をかかえ、国内消費は著しいものがあります。国際市場で鉄鋼不足がつづいていたのは、中国の需要の拡大による買占めが原因だったといわれます。原油の高騰にもかかわらず、中国は原油の手当てに奔走しています。すでに中国は魚の輸入国になってしまいました。その他の食品もいずれ輸入せねばならなくなるでしょう。
「元」の力はまだまだですが、保有する「ドル」の力は大きなものです。経済でも多大な影響力を持ち始めました。「巨像」インド経済に踏み潰されてきたネパールですが、いまや「金のドラゴン」に呑み込まれようとしています。
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