| ネパールはいまや「国土の70とか80パーセントがマオイストの支配下にある」という人もいます。どのように確かめたらいいのかわかりませんが、あながち否定できないところがネパールらしいと思っています。
ネパールには14の県があり、その県の中に郡があり、全土で75の郡があります。群には郡庁があり、村々に配属されていたお役人(公務員や警察官等)はマオイストの襲撃を恐れて、郡庁に呼び戻されています。村での公務ができない状況がつづいていると理解すべきでしょう。それを数えて、80パーセントといっているのかもしれません。
ですから、行政官のいない村はマオイストの支配下ともいえるし、そうではないともいえます。マオイストも出没するが、彼らと対等に向かい合っている村も多いと聴いています。いまや行政機能は村にないわけですから、村というよりもコミュニティーといったほうがよいかもしれません。マオイストに対峙する必要から、否応なしにコミュニティーの意識が芽生えてきたといってもいいでしょう。
ネパール国民の95パーセントは農民です。農民は歴史的に税金を払ってきていません。ヒンドゥの神様には毎日毎日お賽銭はだしているにもかかわらず。払わないのみならず、上の郡には年間50万ルピーの補助金が国庫から与えられていました。ネパール人のほとんどの人々はまず民主主義の最大の「義務」である納税を怠ってきたことになります。ここにこの国の民主化の失敗の源が見え隠れしているように思います。
現在、当てにしてきた50万ルピーの補助金は棚上げされています。マオイスト対策費にまわされているともいわれています。道路も水路の整備も滞り、まじかに控えた田植えもままなりません。そこで、上記のコミュニティーが動き出しました。ある村では所有する耕地面積あるいは生産高に見合った負担金を徴収しはじめました。つまり税金です。義務がなければ権利もありません。なにもしないで、「健康で文化的な生活を営む権利」もありません。
「学校がほしい」「診療所がない」「図書館があれば」「堤防がこわれた」・・・・。ことごとく、海外の金持ち国の「善良な皆さん」にねだって済ませてきたといっても過言ではありません。それを物理的にできなくしたのがマオイスト達といってもいいでしょう。
真の民主主義をマオイストが教えています。それは、「まずは受益者負担」の原則です。そして、「やればできる」ということも。
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